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松葉を食べようーこの植物の不思議な薬効ー 高嶋雄三郎著

2020年7月9日

松葉を食べようーこの植物の不思議な薬効ー 高嶋雄三郎著 松葉を食べる会刊(1969/6)

私の願いは日本中の人が松葉の愛用で健康な心身を保持してもらいたい一念に他ならない。この際日本中の、松の字を姓名に持たれる方や、植物としての松に興味や愛着を持つ方、松で商売をして居られる方など、ともかく松にゆかりのある方々が、日本人のこころを代表するこの植物を中心に手をつなぎ合って行きたいものである。

目次
1、緑の松葉の精霊
2、松葉で奇跡を生んだ仙人たち
3、日本は松の国
4、稗史(はいし)に現れた松
5、松にまつわる伝説
6、松を祀る祭礼行事
7、松寿仙人養生訓
・一、髪も黒くなり頭も良くなる法
・二、精力が強くなり長生きする法
・三、夫の強精と内助の功
・四、丈夫な心臓持とうじゃないか
・五、高血圧、視力恢復その他に妙法
8、松葉食いの名士語録
9、赤城の樹と水が生んだもの
10、松葉を食べよう

 

日本は松の国

松はマツ科の常緑幹で世界に90種ほどあるが、南半球にはまったくなく、多くは北半球に分布している。とくに寒い地方では主要な森林植物となっている。いずれも針のような葉を持ち、花は同じ株に雄花と雌花が別々につく。雌花は風の力で受粉し、二年あるいは三年に熟してマツカサになる。

日本で自生するのはアカマツ(女松)、クロマツ(男松)、チョウセンマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、リュウキュウマツ、ハイマツ、キタゴヨウマツ、ヤクタネゴヨウの八種類である。北は北海道から南は九州まで広く分布している日本の松は古くから絵にも描かれ、短歌にもよまれ、日本の風景とは切っても切れぬ木となり、これ程日本の風土にとけ込んだ植物はいない。しかも四季の変化に富み、美しい自然に恵まれた国土の中で、松は厳冬のさなかも、その緑とみごとな枝ぶりの故に古くから日本人に愛され、親しまれてきた。まことに松は雪に月に花に露にとあらゆる自然の中で、さまざまな詩趣をみせる。

九県の県木となったマツ

岩手県南部アカマツ品質優れ、大地にガッシリと根を張り重い雪が乗ってもビクともしない
群馬県クロマツ赤城山周辺の内陸山間地でのクロマツの造林地は珍しい、1626年頃から造林されている。
福井県マツ海岸美すばらしい松林、1604年福井藩主、結城秀康が暴風などのために全国に先駆けてマツを植林
島根県クロマツ出雲の国の風情、もっと松の多い地方、観光面でも林業的にも重要なウエート、潮風の塩分にも強く海岸部の防潮林、砂防林
岡山県あかまつ後楽園、衆楽園など県の主な公園、庭園にアカマツ。県林業の重要な位置を占める。マツタケも全国に売り出される。
山口県アカマツどんなやせ地にも育ち、干ばつにも強い『根性の木』県民が高く評価している。
愛媛県まつ県都「松山」が示す愛媛はマツの国、源義経がヨロイを掛けたという「ヨロイ掛の松」をはじめ多くの伝説のマツを残している。
北海道エゾマツエゾマツは、マツの名がつくがマツ科マツ属ではない、マツ科トウヒ属であるが、最良のパルプ材である。
沖縄県リュクキュウマツ海岸帯に生育し潮風などの塩害に強いので防風林や並木に向いていいる用途はパルプ材に使われる

孤独なのは松の木ばかり

松の滴は強くてその木陰には灌木や下草も育ちにくいと言われている。松を枯らす松毛虫は図体が大きいので小鳥も捕食しないし、松は風の力で花粉がはこばれて受粉する風媒花なので。昆虫を誘うミツもなく、鳥も寄りつかない。それでも松が元気のいい時は木に穴をあけて松の樹液を吸って行く松食虫産卵の場所を松は松脂を出して包み窒息させるそうであるが、弱ってくると、孤独無援で体内を食い荒らされて切り倒される以外になくなってしまう。。。
日本の風景を美しく特色づけるもので、子孫のためにも松を滅亡させてはならない。松の無残な姿を見て悲しいと思う心があるなら、国としても早く手を打ってほしい。松を救うことも祖国を愛する生きた政治だと思う。
日本でしか見られない美しい姿の日本の松を何としてもこれ以上枯してはいけない、否どんどん松の植林を盛んにしてもらいたいと希うこころ切なるものがある。
戦時中一番残酷な目にあったのはこの松の木である。飛行機をとばすガソリン代用の燃料として、松根油に目がつけられた。この為大きな松が次から次へと倒されて松の根がほじくり出された。松はまさに植物の特別攻撃体となったわけである。自らの命を断って特攻隊員を飛ばしたのだから。。。松根油は松の根を乾燥して得る油、テレピン油、パインオイルとして使われた。