◆大森禎子博士_化石燃料の燃焼により生成する硫酸と樹木に立ち枯れの関係_20230501

 

大森禎子 元東邦大学理学部教授 理学博士

 

 

◆大森禎子博士_化石燃料の燃焼により生成する硫酸と樹木に立ち枯れの関係_20230501.PDF

 

 

◆大森禎子博士_炭の水による溶出成分_20230501.PDF

 

 

関連情報
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大森禎子先生の講演会がありました あいち炭やきの会公式HP
テーマは「硫黄酸化物と樹木の立ち枯れの関係」

https://aichisumi.exblog.jp/8896345/

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樹木の立ち枯れ調査の簡易分析方法

大森 禎子,吉池 雄蔵 分析化学 50 (6), 465-472, 2001

樹木の立ち枯れは, 大気汚染による雨の汚染物質が, いかに希薄でも, 樹木の葉や樹皮やその根元の土壌に付着して, 濃縮と蓄積を繰り返し, 許容限度を超えて起こる. 針葉樹は, 葉や樹皮の多くの空間に, 広葉樹の2~5倍の水滴を付着させ, その分, 汚染物の一つの硫酸イオンの濃度は3~8倍に濃縮, 蓄積し, 次の雨で根元に洗い落とし, 葉から根まで酸性の環境で生活する. 海岸の枯れていたマツは, 葉
https://cir.nii.ac.jp/crid/1410001204052947456

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樹木の立ち枯れ調査の簡易分析法
東邦大学理学部 理学博士 大森 禎子

1.緒言
マツの立ち枯れは松食い虫、針葉樹の縞(しま)枯れは世代交代と、別々の原因が述べられて
いる。近年は、ダケカンバ、ミズナラ、ブナまでも枯れ始めた。南米大陸最南端のFuego島では、
南極ブナの縞枯れが観測され、谷間の湿原の周囲では、南極ブナの一種のギンドが大量に枯れ、
さらに、周囲に衰退が進行していた。原因は大気汚染と考えられる。pH4や5の雨水で樹木が枯
れるはずが無いと言われているが、塩酸、硫酸、硝酸は、希釈して再び濃縮すると100%回収で
きる。このことから、いかに酸性物質の濃度が低くても、永続的に、供給される酸性物質は、植物
の葉、樹皮、土壌に付着して水分のみ蒸発し、濃縮し、蓄積し、許容限度を超える。汚染物質中
の硫酸は、土壌からもっとも多くのアルミニュウムを溶出し、アルミニウムはリン酸と結合して成長
に欠かすことの出来ないリンの供給を妨害し、海岸では塩化ナトリウムと反応し、塩素を発生して
植物の細胞を破壊する。硫酸イオンの定量結果を基に大気汚染と立ち枯れの関係を明らかにした。

2.実験
装置と試薬
誘導結合プラズマ発光分析装置、イオンクロマトグラフ、pHメーター、標準溶液、その他、
会社名削除

資料の採取と定量操作

葉は、枝の最先端の物を採り、採取当日か翌日使用した。
樹皮は下から1mくらいの位置のものを1~4か所から採取し、乾燥後使用。
土は表層、10cm、30cmの深さのものを採取し、乾燥後使用。雨水と樹冠水は、
降雨終了後1日以内にろ過後、塩酸を加えて濃縮しで定量した。

その他pHイオンの測定など

3.結果と考察
大気汚染物質の主な酸性物質は、塩酸、硝酸、硫酸である。
結果の表は分析化学を参照してください。
樹冠水の成分の濃度は雨水より高い、雨水の成分の濃度は、降り初めは高く、その後
は低くなる。雨水中の酸性物質が樹木に蓄積し、また大気中の乾性酸性物質が樹木に
付着し、その後、わずかな雨や霧が通過して湿ったときの葉や樹皮のpHの低下が立
ち枯れに関係すると考えられている。以下省略

4.結論

樹木の立ち枯れは、大気汚染による硫酸が最も関係が深いことが明らかになった。
硫酸は、海岸のマツに付着した風送塩と反応して塩素を発生して細胞を破壊し、土壌
中のアルミニュウムを溶出してリンを補給を断って成長を妨害する。針葉樹は広葉樹
より酸性物質を何倍も濃縮と蓄積をし、次の雨で根元に洗い落とし、土壌まで酸性化
するため、全身が酸性の条件下の生活となり、更に、塩の濃度の上昇で、細胞の浸透
圧の平行が破られ、広葉樹より針葉樹が先に枯れる大きな原因となる。縞枯れは、上
記の原因に加えて生育場所が段差のあるところに起こる。

途中省略
このFuego島の立ち枯れは、原因不明とされているが、硫酸イオンが衰退した木
などに密集して寄生しているサルオガセから雨後にもかかわらず検出され、pH3.7が測定され、
樹皮からも硫酸イオンが検出され、大気汚染に由来することが明らかである。

省 略

要 旨
樹木の立ち枯れは、大気汚染による雨の中の物質が、いかに希薄でも、樹木の葉は樹皮や
その根元の土壌に付着して、濃縮と蓄積を繰り返し、許容限度を超えて起こる。針葉樹は、葉
や樹皮の多くの空間に、広葉樹の2~5倍の水滴を付着させ、その分、汚染物質の一つの硫酸
イオンの濃度は3~8倍に濃縮、蓄積し、次の雨で根元に洗い落とし、葉から根まで酸性の環
境で生活する。海岸で枯れていたマツは、葉の根元の繊維で束ねられているところに、塩化
物イオン硫酸イオンも濃縮されていた。これらが共存すると、塩素が発生し細胞を破壊したと
考えられる。硫酸は、土壌中で最もアルミニウムを溶出し、リン酸と結合し、リンの供給を止め
て成長を妨害し、まず、梢枯れを起こし、次に枯れ死に至ると考えられる。樹木の葉、樹皮、根
元の土の硫酸イオンを定量することで、樹木の枯れの原因を知ることが出来る。

http://iwasaki-sumiyaki.com/sub20.htm