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赤松の灰が陶器となり蘇りました

赤松の灰からNext BIZEN

普通は、灰となった赤松には、利用価値が無いように思われますが。。

赤松の灰を溶かしたものを入れて作陶した、Next BIZENです。

通常は、火前で二週間かけて出る色を彼の窯で数時間でこの色が出たようです。
手触りもよく深みのある素晴らしい作品です。

*市川透氏のコメント*
この作品、Next BIZENは、純粋に日本の赤松の灰だけを溶かしたものを釉薬状にしている非常に貴重な作品です。通常、このような陶器は、窯の中の火前、火の近くでしか取れない焼き色ですが、それを私の窯で再現しました。
普通の備前の窯だと2週間ぐらい炊いて、火前でやっと数点しか取れない貴重な焼物なのですが、私は研究を重ね数時間で作陶しました。持った感触もとても良く、お酒の味も独特の円やかさになり、今迄にない画期的な素晴らしい作品に仕上がりました。

 

備前の胎土、そして日本の赤松を使い、釉薬ではない焼きしめ陶器、灰の流れがとても美しく見事な景色です。
画期的な焼成方法にて、通常は2週間の薪窯の火前で数点しか取れない景色を実現可能にしました。インスピレーションを授かったんです。
備前焼が衰退したのも、きっと自然の摂理なのです。バブル期に絶好調に売れた備前焼で、備前焼作家になれば家が建つとも言われた時代、
アーティストではなく単にお金儲けや権威だけのために、雨後の竹の子のように次々と備前焼作家が誕生し、薪窯焼成の為に、日本の赤松を必要以上に伐採を続け、焼き続けました。その為に今、現在日本の赤松が少なくなり、そして赤松に松食い虫等の被害が多くなり赤松が少なくなってしまいました。 
我々はこの貴重な赤松を増やし、残さなくてはなりません。薪窯のように大量の赤松の薪を使う事はこの時代にそった焼成方法ではないのです。伝統も大切ですが、何より自然こそが神、我々はその恩恵を受けて生かされていることに感謝しないといけません。
長くなってしまいましたが この様なインスピレーションから生まれた作品です。

赤松の灰を入れた作品集 Next BIZEN


作品説明

陶器は、大きく分けると2種類です。長石等を珪石や灰で溶かして釉ガラスを作りだし、コーティングしたもの、表面がガラス状もしくはマット質な釉薬をかけているものなのですが、本来 釉薬は装飾の目的もあるのですが、粗い土を使う産地では、釉薬を掛けずに焼成すると水漏れして使い物にならない事が多く、また焼成を低温で焼いたりする為、1000度以下とかもあります。
因みに楽焼きは900度前後ですので、土が焼き締まらず、割れやすくもろいです。
低温焼成の釉薬使う陶器は、土が焼き締まらないという状態になる為に釉薬ガラスでコーティングし、水漏れを防ぐ意味もあるのです。
しかし割れやすいのです。
焼き締めるというのは焼き物の強度もあげるのです、1240度近くで焼いた土は指の爪で軽く弾くとキンキン!と金属音がします。
僕は釉薬使う場合でも高温焼成する為、土が焼き締まります。
焼き締め陶器というのは、簡単に言うと、高温で土を焼き締めているという意味で、またその様な釉薬を使用せずに、土本来の味わいや焼き色を楽しむもの、備前焼や伊賀焼き、薪窯焼成の自然な灰が降りかかったものを焼き締め陶器と言う事もあります。まとめると1230〜1240度くらいで焼いて、土が焼き締めれば、釉薬かけるかけないに限らず、焼き締め陶器と言えるのですが、一般的には釉薬を使わない、高温で焼いた、土味のある陶器を焼き締め陶器と言ったりもします。
薪の灰が降りかかり、その灰が溶けて流れたものが、灰の流れの景色とした観賞所があり、『見事な灰の景色だね』と僕らは言ったりします。
この景色はまさに、自然界と炎と僕とで共に創り上げた 美術です!美しいです!僕が持つ備前の土でこそ出せる景色かもしれません。

作者紹介

Next BIZENは、BSフジ「ブレイク前夜 〜次世代の芸術家たち〜」にも出演された
岡山県の陶芸家 市川透さんの手によって陶器となって赤松が蘇りました。私にとって作品創りは、魂の叫び、私という存在の魂の叫びです。私の創作は、深夜、辺りの生活音と光が消えかかる頃、月と星の光、潮風の囁きを感じながら備前の胎土を原土から扱い、まずは土作りをするところから始まります。
備前の土に手を入れた瞬間、土中に生きる微生物の囁き、想い、歓喜、叫びが波動となり、私の魂と宇宙を一体化していきます。眼には見えないミクロの微生物の世界から、私が創作する場、近隣の山、海、そして地球、月、星、宇宙へと私の魂が神羅万象と繋がっていく。。。中国の古代思想に五行陰陽説があり、木は燃えて炎となり、燃え盛った炎は灰となり、灰となったものは土となり、土に還っていく、その循環の中で我々は生きているという思想の中で我々は生きているという思想がありますが、土と私の心は方時も離れることがなく、土を通して自身の生まれた理由、生きる意味、真実の愛、宇宙の真理を探究、希求し創作に全身全霊を傾けています。。。
Official 会員特設サロンのパンフレットより抜粋