fbpx

長寿の秘訣 松葉健康法 高嶋雄三郎 著 (講談社)

松葉健康法 高嶋雄三郎 著

松で不老長寿の健康づくり 高嶋雄三郎
私は二十五年以上、松に自分の健康のすべてを委せきってきた。それも中年を越してからである。その信頼は勿論松が最も崇拝される霊木であり、神木であるということを抜きにしては考えられない。姿もすばらしいし、樹齢長いが、何よりも、古来人間生活に貢献して来たことて貴重視されてきた。
まことに松の木のように、人間のあらゆる病気に効いて、健康づくりに多大な貢献をしてきた植物は他にはない。春夏秋冬、青々として、”松寿千年”という言葉のある通り、松喰虫にやられなければ、千年は生きられる寿命をもっている松の木なのである。
そして松葉の他に松実、松脂、松皮、松茸、松露、茯苓と、あらゆる部分が人間の健康に役立ってきた。(本文より)

===================

松は日本人の瑞祥の表れ、神木として滲透してきている。古来、縁起のよい食物として、その常緑という点からいっても変わらぬ操の正しいもの、かつ風雪に堪えるものとして、長寿延命に結びついて伝承された。
松は、松竹梅の筆頭に置かれ、日本人の心の象徴として讃美され、親しまれてきた。同時に松の生育に私たちは、先祖の生き方を見てきた。
島国に孤島に生きてきた日本人は、肥料のある筈もない巌上に枝ぶりも見事に聳える松の木に、己の理想像を見出してきたといえよう。
日本人は昔から慶事の中心に松を据えてきたが、これはその信仰の心が暮らしの中に実用化して行ったものと考えられる。。。
神事に、慶事に、また民間療法に用いられ、難治に応用されて助かった例が少なくない。
何百年もむかしの古文書や由緒書、風土記、名所図会をたよりに、私は各地に名松の跡をたずねてまわり、淡々と新しきを知るのである。
新しきとは、高度成長の加熱による土地開発、宅地造成、道路建設、公害渦によって、どれだけかけがえのない名木老樹が枯らされ、伐り倒され、
さらにその背後にどれだけ多くの名も知れぬ樹木が失われてしまっているかを知るのである。
植物なしには生きられぬ人間の怖ろしい行末を思うと、何か枯死する植物が私達の明日を暗示しているように思えて慄然とする。
松を愛し竹を愛し梅を愛し、どの民族よりも植物を愛してきた日本人の筈ではなかったか。。。


長寿の秘訣 松葉健康法 高嶋雄三郎 著(講談社)

目次
はじめに
第一章 松葉で健康つくろう
第二章 これだけ効く葉の薬効
・不老長寿と松葉
・松葉で若返り、精力増強
・松葉で丈夫な心臓もとう
・血圧の心配なく、きれいな血がめぐる
・松葉で養毛、白髪も黒くなる
・これだけ効く松葉万能薬
・松葉の有効成分

第三章 暮らしの中の松葉
・松葉酒 松の精飲み、若さを保つ
・松葉液 松葉のエッセンス・家庭の常備薬
・松葉食 松葉を食事療法に
・松葉茶 ホルモン分泌を高める
・松葉風呂 松の精気がしみこむ仙湯
・松風浴 殺菌力強い松風のオゾン
・松葉煙草 松竹梅健康法の元祖

第四章 薬となり栄養もある松の木
・松茸 血圧を下げる安産の妙薬
・松露 世界の強精食の王座
・松実 精気を養うスタミナ食
・松脂 できものを治す神仙薬
・茯莠 利尿、強心、腎臟の薬
・松花 背骨を強くし、肺の薬
・松皮 救荒食品のチャンピオン

第五章 松葉健康法のルーツ
・松寿仙人と赤松子
・松葉を食べて空を飛ぶ
・東洋最古の松葉健康法

第六章 体験談”松葉液”で健康です
・わすれられた貧血症 春日野八千代
・ガンの術後の友に 中村芝梅
・二十年のお付き合い 渡辺はま子
・″お若いですね〃と言われて 佐藤寛子
・冷蔵庫に常住のあおみず 森繁杏子
・終生続けたい健康法 村上典子
・抜群な回復カ 津曲篤子
・ロ内炎、歯槽膿漏の痛みに 倉沢彌生
・新たなる活力が湧く 葦原邦子
・年寄りのみどり水 佐藤照
・松葉体操 伊藤敏雄
・胃腸病、下痢が治る 一龍斎貞丈
・毛髪に奇瑞あり 中原多代
・森から松葉をとって来て 岡田嘉子
・頑固な腎炎を松葉液で 佐藤夫美
・いいものは皆さんにも 市丸
・痔、便秘、高血圧に卓効 鈴木栄一
・松に御縁の深い私 矢野松仙
・目がとてもきれい 松島詩子
・友あり遠方より来る 中村チエコ
・先天性心臓病に 柿田久子
・頭と目のかすみが 菅原都々子
・黒髪の孫 熊谷とき子
・フットライト浴びる六十六歳 高英男
・胃病はまとめてよくなる 林華朱
・私のお酒の飲み方 鳳八千代
・心にしみた一杯 山本千里
・血圧が平常になる 三成利男

第七章 松の緑を守ろう


●著者略歴
高嶋雄三郎(たかしま・ゆうざぶろう)
明治44年、東京・小石川にて高嶋米峰の三男として生まれる。法政大学法文学部国文学科卒。東宝劇場株式会社文芸部、中央公論社編集部を経て、昭和24年株式会社学風書院創設、およそ10余年間に350点を出版。その後も出版・雑誌関係の仕事に従事しつつ植物の伝承、薬効等を調査研究。日本植物友の会参与、松葉を食べる会主宰。現在、(社)日本の松の緑を守る会常務理事。健康雑誌『主治医』編集長。著書に『ものと人間の文化史16く松>」(法政大学出版局)。他に『松竹梅健康去』『松の効用』『松葉を食べよう』『笹の効用』『笹に憑れて』『笹をたずねて』『竹の風土記』などがある。

高嶋雄三郎 – Wikipedia